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沖縄県の高校不登校半減へ計画

9月7日の沖縄タイムスに「高校不登校半減へ計画」の記事がありました。

沖縄県の高校の不登校率は全国2位で、さらに上昇しています。2012年の推定は1500人。実に3%という高い数字です。

これに対して県教育庁が初めて具体的な改善計画を策定した形です。計画では、2016年度までに半減させる方針となっています。
先週末、県内の校長会が行われたと聞いていますが、それに先立って県の学校教育課の職員の方々がサポステにお越しいただいてサポステ事業の説明を聞いていただき、校長会でもサポステの学校連携事業についてご紹介いただくことになりました。これからサポステと学校の連携をさらに充実できるように頑張っていきたいと思います。

不登校のままでも卒業できる中学とは違い、高校では、不登校(年間30日以上の欠席)という状態が、中退や進路なき卒業につながることがほとんどです。

一昔前は、不登校といえば非行や遊び、暴走族などにほぼ直結していましたが、今は首都圏でもまったくそんなことはありません。問題は社会的孤立にシフトしています。

一方で、15歳~34歳の若年無業者の数は、平成14年では沖縄は3.9%とダントツの全国ワースト1位でした(全国平均は2.0%)。平成19年にはかなり改善されて2.8%まで抑えてきましたが、それでもまだ全国平均2.1%からはずいぶん差がある状態です。(総務省「就業構造基本調査」平成19年度)

若者の無業者の削減のためには、その予防が一番重要だと思います。学校を卒業した途端、若者は「行かなければならない場所」がなると同時に、「行くところがなくなる」状態になります。社会で自立をするだけのスキルを持つ前に学校から離れることで、誰かに相談できることもなくなってしまうのです。行く場所を作るためにバイトを始められる人もいますが、それも長く続かず、そのうちに何もしなくなるというパターンも決して少なくありません。社会から孤立することで、事態は悪化していきます。

私たちサポステも、この存在を知ってもらうために努力をしているのですが、社会から孤立してしまっている人たちにまでなかなか声が届かないという現実もあります。そうした背景があって、今年度より、厚労省が新しい指針を打ち出し、サポステ事業の中に学校連携事業が生まれました。若者が学校から離れてしまうその前に、サポステに相談してもらって、できれば学校に戻る、もしくは、転校や職業訓練などを経て社会に出てもらうことを目的にしています。少なくとも、学校を出る前にサポステという存在を知ってもらうだけでもいいと思っています。そうすれば将来困ったときに「相談できるところがあったはず」と思い出してもらえると思います。

学校の先生方には、引きこもり傾向のある生徒さんだけでなく、アルバイトができる生徒さんでも、継続的なキャリア形成に不安がある生徒さんには、是非サポステの存在を知ってもらえるようにご協力をお願いしたいと思います。